音楽出版社社様刊行のムック本『HEADPHONE BOOK 2016』にてETHER、ETHER Cをご紹介いただきました。詳細は誌面にてご確認いただけます。
特集企画「平面駆動型ヘッドフォンを聴き倒す!」
PM-1
レビュワーは山ノ内正氏、高橋敦氏、中林直樹氏です。以下のようにご評価いただいております。
「平面駆動で開放型となると軽やかな広がりを持ち味としそうなものだし実際このモデルはそれも備えるが、特筆すべきはその柔軟性のある肉感。例えばエレクトリックベースのスパッとしたキレだけではなく溜めや粘りも描き出し、演奏のグルーヴを引き出す。ヴォーカルの下に潜り込むような低い音域・音色のフレーズでも重みや実体感を確保し、曲全体の安定感にも貢献。そしてヴォーカルも、男女問わずきめ細かくほぐれ、なんとも心地よい。」(高橋氏)
「特にJ-POPでは歌声の存在感が高く、ブレスの余韻も生々しい。また、高域や低域は不要な主張がないため、ジャンルを選ばず楽しめるはずだ。楽曲が元来持つサウンドをそのまま引き出しているかのようである。例えば、ヒップホップではうるさく鳴りがちなシンセベースには抑制が効き、ドラムスもタイトなため輪郭のくっきりした音像が出現する。さらに、ジャズのライヴ盤では、プレーヤーたちの演奏とホールの残響とが混じり合い、まとまりのある音空間を耳の周囲に作り出した。アコースティックロックでも中域の密度感が格別。」(中林氏)
「発音源と耳の距離が物理的に近く感じられ、ダイレクト感のある力強い再生音を楽しむことができる。ジャズは各楽器の音像が大きめで、ベースも音色と楽器イメージどちらも太めになるが、緩んだ感触はなく、骨太のサウンドという感触。」「オーケストラや弦楽合奏はエネルギーの重心が低く、低弦の存在感が前面に出て、テンポを牽引する様子がよくわかる。ハイレゾ録音の音源を聴くと、遠近感や距離感が出てきて、特にDSD録音のオーケストラは良いんの広がりやスケール感にも十分な余裕が感じられる。」(山ノ内氏)
https://www.oppodigital.jp/products/headphone/pm-1/
PM-3
レビュワーは山ノ内正氏、高橋敦氏、中林直樹氏です。以下のようにご評価いただいております。
「PM-1を『開放型だけど開放型っぽすぎず密閉型にも負けない厚みや肉感を備えるモデル』と表現するなら、こちらは『密閉だけど密閉型っぽすぎず開放型的な細やかさや軽やかさも備える』か。」「ワイド&フラットさで言えばPM-1だが、ポータブルすなわち屋外騒音下でも解像感や中低音を感じやすいのはPM-3。これがOPPOの音だという軸はブレず、しかしポータブルに合わせた最適化もばっちりだ。」(高橋氏)
「中域の充実振りや、密度感の高さは上位機種PM-1譲りだと感じた。さらにアコースティックロックでは、楽曲がゆったりと響き、まるでテンポ自体が遅くなったように思えるほどだった。その分、中低域には厚みがあり、オンイヤータイプとは思えないほどの立体的な包囲感もある。」「カラーリングやフォルムはモダンだが、サウンドはオーセンティックで飽きのこないものだ。」(中林氏)
「ポータブル用途を想定した密閉型で、音調にはPM-1と共通する部分もあるが、基本的にはかなり傾向が異なるサウンドという印象を受けた。共通点は音源との距離の近さとダイレクトな感触で、密閉型の本気で聴くと、さらにその印象が強まる。」(山ノ内氏)